公衆データ通信網・広域データ通信網を総称してWANと言います。WANサービスの今後の方向性を探ります。
公衆データ通信網、広域データ通信網のことが最近メディアにもよく登場してくるようになりました。公衆データ通信網、広域データ通信網とは、今や一般家庭にまで普及してきたと言われ、企業に至っては、そのほとんどが導入しているLAN。遠隔地の拠点に構築されたLANを相互に接続するための通信網のことを言います。公衆データ通信網、広域データ通信網はWide Area Networkを略してWANと呼ばれます。最近では、公衆データ通信網、広域データ通信網の分野に「IP-VPN」や「広域イーサネット」など、安価で高速なサービスを提供する会社が出てきましたが、こういったサービスをWANサービスと称し、認知度も高まってきており、それに伴なって導入する企業も増えてきました。しかし、それらを導入するためには現在利用しているWANサービスをしっかりと理解する必要がある。
WANは本来、広域通信網の略称であり、名前のとおり日本国内のネットワークはおろか、世界全体をカバーするサービスもあるほど、範囲に制限というものはありません。またWANは、公衆電話回線やISDNをはじめとして、専用線、フレームリレーやセルリレーなど、電気通信事業者によってサービスされている公衆データ通信網も意味します。他にも、LAN間接続やVoIP実現のために注目されているIP-VPNや広域イーサネットなどもWANの一種として考えて差し支えないと思います。つまりWANとは、ある特定の限定的なネットワークをというものではなく、公衆データ通信網、広域データ通信網として、電気通信事業者が提供するさまざまなネットワークサービスの総称と言ってもいいかもしれません。
ディジタル専用サービス、フレームリレー、ATMと進化を続けてきたWANサービスは、ブロードバンドによるアクセス回線の高速化に歩調を合わせ、、21世紀を迎える直前ごろから仮想専用線の時代へと、その主役の座が大きく変わり始めました。IP-VPN、広域イーサネット、インターネットVPNの仕組みと変遷に目をやると、正直なところ、ディジタル技術の進歩と発展にはついていけなくなる人が増えていくように思えて仕方ありません。もちろん少子高齢化の波が押し寄せてきているという事実が大きい要因ですが、いま現状で携帯電話を始めとする、巷間あふれているディジタル機器の使い勝手もままならない人が多く、ましてや享受できるサービスを使いこなせている人間がどれほどいるのか。ディジタルの世界が進歩していくことに楽しみと不安が入り混じった複雑な気持ちでいる人も、多いのではないでしょうか。